アーツセラピーの現状とタッチアーツプロジェクトの目指すもの

Touch artsプロジェクトチームは、アーツセラピーを学び、実践しながら、その有意義さを広く社会に伝えていきたいと思っているメンバーから出発しました。

現在は、アーツセラピーという範疇にかかわらず、アート表現を媒体に活動されている方達と共に、プロジェクトを推進しています。

 

 

 20世紀初頭にヨーロッパ、アメリカを中心に始まったアーツセラピーは、70年代以降、成熟期を迎え、大学、大学院でアーツセラピストを養成するコース等も出来ていきました。その後、日本へも紹介され、療法の一つとして取り入れられ、日本芸術療法学会等が設立されたりと、少しずつ医療、福祉の現場に取り入れられていくようになりました。しかし、いまだにアーツセラピーを、大学や専門学校で本格的に学べたり、アーツセラピストが医療チームの一員として働ける現場はほとんどありません。

せっかく学んでも、それを活かして仕事をすることができるのは、個人開業のスキルを持っている人達だけに限られているのが現場です。

 

最近では、色彩心理やカラーセラピー等の延長として、アートセラピーと言う言葉が少しずつ浸透しているようですが、それはアートセラピーの中の一部分でしかなく、アートセラピーに対する多くの誤解も産んでいるように思えます。

 

アート(art)セラピーに加えて、音楽、ダンス、ドラマ等、様々な表現媒体も含んだアーツ(arts)セラピーとなると、なおさらに知られていない状況なのはとても残念なことです。

 それは、アートに対する捉え方や関わり方が、西洋的な文化と、我々の文化(東洋)と違うことも浸透しにくい原因のように思えます。セラピーという言葉に対する認識の違いもあるでしょう。

 

また、アートとは特別な才能やセンスを持った人たちだけのもの、と思われがちですが、そもそもアートとは、もっと私たちの日常に入り込んでいるもの、私たち自身のものではないでしょうか?

 

本来、アート表現は、歴史の中で人々が生きる意味を見出すため、自然発生的に作られて来たものです。もっと自由に表現(arts)を味わい、楽しみ、自己成長や自己治癒を促すツールとして見直してみてください。

 

本プロジェクトではさまざまなイベントを通して、皆様へこのような機会を提供できればと考えております。